信州スタートアップフェスタ2021について

はじめに

今からおよそ7年前の2014年に国の「成長戦略」政策の柱のひとつとして「産業の新陳代謝とベンチャーの加速」が掲げられ、起業・創業(startup)に関する様々な支援策も数多く実施されてきました。

また、超少子高齢化による深刻な労働人口の減少という問題に対応するべく、2019年からは働き方改革関連法が施行され、副業・兼業の普及も促進されるようになりました。

私たちの暮らす松本地域でも、これら国の政策や時勢、社会環境の変化、そしてもともとこの地域に根付く「商都」としての土地柄から、世代、性別、出身を問わず、多くの人々が起業・創業という夢に向かって活き活きとチャレンジする姿を様々な場面で多く見かけるようになりました。

しかし、2020年に発生した新型コロナウイルス感染症の拡大は私たちの日常も、住むまちの景色も一変させてしまいました。

まちからは賑わいと消費が失われ、商都松本の土台を支える魅力的で多彩なショップやサロン、飲食店の多くは厳しい経営を余儀なくされました。また地元で活動する多様なクリエイターやセラピストたちが自らの手で生み出す多彩な商品やサービスを地域の人々に発信・提供する場であるマルシェ等の様々なイベントもその多くが中止や延期となってしまいました。

このような大きな環境の変化は、地域の未来に新たな魅力と可能性をもたらすことが期待される一部のスモールビジネスの成長発展にもブレーキをかけてしまうことになり、実際に道半ばで描いてきた夢をあきらめざるをえない状況に陥る人も現れるようになってしまいました。

ただ一方で、この感染症拡大によって社会にもたらされた大きなインパクトはzoomやYouTube、オンラインサロン、キャッシュレス化といった新たなテクノロジーとツールやサービスを想定外の速さで広く世間一般に普及させることにもなりました。

このことが逆にスタートアップの機会創出やスモールビジネスの成長発展を加速させることにつながっていることは周知の事実です。特に松本のような地方都市を拠点とするフリーランサーや起業家、また起業を視野に活動する複業家などにとっては大きなチャンスの到来であり競争激化時代の始まりでもあります。

私たちは「withコロナ~afterコロナ」と言われるこの大きな時代の転換期において、世代や性別を問わずより多くの人達が信州でスタートアップやスモールビジネスにチャレンジし、夢の実現に向けて力強く、そして「安心安全」に前進していくことができる環境をつくることが活力と魅力にあふれる信州の未来をつくることにつながると考えています。

そこで、私たちはこのような環境を実現するために、オンラインとオフラインの連動により「付加価値の高い情報発信力」と「多様なコワーキングを可能にするシステム(コミュニティ)」を兼ね備えたイベントプロジェクト「信州スタートアップフェスタ2021」を「令和3年度長野県地域発元気づくり支援金」を活用し展開していくことにしました。

私たちはこのイベントプロジェクトを通して、若い世代はもちろん、人生100年時代の主役であるシニアまで、世代を超え、また男女も問わず日本中から「新しいことを始める(スタートアップする)なら信州が一番」と言われるような魅力的な地域の実現を目指していきます。